センチメンタル

ふと思い立って、引き出しから白衣を出してみた。
本当の大学生だったときに着ていた白衣。
真っ白だと思っていたのに、見事に首周りが黄ばんでいた。

この黄ばみに、涙の成分はどのくらい混じっているのだろうか。
首周りだから汗だけかもしれないけど。
でも、汗だけじゃなく、涙もいっぱい流していたな、私の出身校名と「OTS」と私の苗字が刺繍されているこの白衣を着ているときに、何度も何度も、泣いていたなあと思う。
少なくとも、今よりずーーーっと、イッパイイッパイだったもの。


でも、辛かったことよりも、嬉しかったこと、楽しかったことの方が沢山蘇ってくるから不思議だと思う。
今日偶然思い出したのは、ゆずが大好きだった当時の私に、27歳で新人の先生が、ほんのちょっとだけ「いつか」のフレーズをギターで弾いてくれたこと。
たったの１、２秒。かっこいい所抜粋。
でもその瞬間の記憶は、私にとって本当に宝物だ。
その先生にも、沢山助けてもらった。
今もお元気でいらっしゃるでしょうか。



他にもいろんなことを思い出しすぎたけど、取りあえず胸の中にしまっておこう。
足のついた分度器と、腱反射をみるハンマーをしまっていたのは、胸ポケット。
私は本当に幸せ者だ。

袖を通したくなったけど、入らないのが目に見えてたので、やめておきました。