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平凡な人間の、平凡じゃない毎日の記録帳
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「わたしたちの教科書」の感想でも書こうかと思います。
自分の経験など交えて。


「いじめ」を問題にした、現代社会への問題提起を目的にした作品でした。
内容は勿論明るいものとは言えなかったけれど、ラストはとてもすっきりとした、そして現実味もしっかりある感じで、納得のいくものでした。


以前ちょろっと書いたけれど、このドラマには「完璧な人」が誰ひとり出てこなかった。
菅野美穂さん演じる弁護士は、義理の娘のいじめを糾弾すべく法廷に立ったけれど、自分自身は「親」という責任を放棄し、「ネグレクト」という形の虐待を行っていた。
でもきっと彼女は、それでも自分を想ってくれた娘の心情を、転落死した後にだんだん判っていって、あれだけの行動を起こせたのだと思う。

金八先生に憧れた伊藤くん演じる先生も、真剣に生徒と、そしていじめと向きあおうとしたけれどいつしか周りが見えなくなり、「いじめはない」と信じ切ることで必死に自分の生き方を正当化していたように思う。
でも、根はとっても真面目で、いい奴。

いじめのリーダーだったつくしちゃんの弟、じゃない兼良くんも、ただいじめたくていじめに走ったのではなく、理想だったはずの父親が援助交際していることに悩み、それを「気持ち悪い」と彼女に言われた為に彼女をいじめるようになり、そしてその彼女を守るべく援助交際の事実を言いふらした明日香ちゃんを追い詰めてしまったという哀しい人間だった。


誰ひとり、完璧な、何を置いても正しい、と言えるような人間はいなかった。
でも、逆に言えば、完璧じゃない、弱い人間がどうして「世界を変えていく」のかを考えさせられるドラマだったと思う。
「いじめる人間=悪い人間」と決めつけるような、勧善懲悪のストーリーではなかった。
そこが、とてもリアルだったと思う。



さて、これだけ社会問題化している「いじめ」だけれど、私がまだ小中学生の時代だって、全くなかったなんていったら嘘になる。
人間が複数人集まったら、集団の中で「リーダー的存在」となる人と、ひっそり静かに話を聞いている人、に分かれていくのは当たり前にあること。
でも、人としての存在価値は、リーダーだろうが地味な端くれだろうが、全く変わらず、等しくある。
ところが、人間の愚かなところは、そこに何故か「優劣」をつけてしまうところにあると思う。
弱い人をいじってみたり。
そしてちょっとだけ笑ってみたり。

私自身、「いじられた」経験は何度もある。
「今日帰りに先輩に『シメられる』からはやく帰りな」と嘘を言われたこともあった。
でも私は、「いじられ」たと捉えるだけで、深刻に考えなかった。
ところが、同じことを別の子がされたら、その子は泣いて私に「辛い」と言った。
捉え方って、人それぞれで、それも人の有り様なのだと思った。

また別のこと。
とある年下の子が、泣きながら墨で塗られた教科書を持ってきた。
私はすぐに、物置から自分の古い教科書を渡した。
数年後、今度は自転車のサドルをカッターで切られたと泣いてきた。
私は、「自転車通学じゃないから」と私の自転車のサドルと交換し、自分は「サドルカバー」をつけた。
そんな風に、なんとか乗り切っていたのかな。昔は。

私の良い面ばかり書いても嘘くさいので、もしかしたら「加害者」だったかもしれないことも書く。
昔、クラスに馴染めず、しかも大人しいのでなかなか打ち解けられない子がいた。
その子は、何かあるとすぐに

「死んでやる」

と言った。
私は、「そんなことできないくせに」と思った。
今思えば、クラスメイトとして失格だったと思う。ひどい人間だったと思う。
いくら口癖で簡単に言える子だったとしても、そんな言葉をすぐ使ってしまうくらい、彼女は追い込まれていたのかもしれないのに。
おそらく逆に「脅し」のつもりで言ってたのかもしれないけれど、そういった言葉を発してしまう理由をちゃんと考えるべきだった。
こんな風に、簡単に「加害者」になれるのです。誰もが。


そんないろんなことが、私の身近に、確かにありました。
でも、今とは違い、これほど大きな社会問題になっていなかった。
ドラマでは、「今でもいじめはなくなっていません」とちゃんと言った。
優位に立つ者と従う者、そういう「立場」が絶対できる「集団生活」、しかも完璧な人間なんかいない世の中では、「100%いじめは起こらない」環境を作るって現実問題難しいと思う。
でも、ドラマの中で転落死した明日香ちゃんが、「過去と現在と未来の自分の為に生きたい」と言葉を残し、その上級友を励ました後の事故だったこと、死を選んだのではなかったことが、一筋の光に見えた。


良いドラマでした。

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