Tちゃんとの思い出

身体障害者療護施設で働いていた時、入所者の中に「Tちゃん」と呼ばれていた女性がいました。

確か私より３歳くらい年上なのですが、身長も小学生の低学年くらいで、とても可愛らしくみんなのアイドルでした。軽々しくちゃんづけで呼ぶのは最初気が引けたのですが、TちゃんはTちゃんでした。ちょっぴりわがままで本当に「可愛い」と思える方でした。

食事指導や週３日のリハビリの時間で関わる時間も多かったのですが、機嫌が良い時は、私に「スピカ先生　こんにちは」と言ってくれました。それがすごく嬉しかったのです。

ある時毎日私を名前で呼んでくれていたことがあり、もう一日で１週間連続名前で呼んでもらえる！という日、私はずるをして（笑）「Tちゃん、私の名前はなんだっけ？」と質問しました。するとしっかり「スピカ先生！」と答えてくれました♪

その時の嬉しさは忘れられません。気まぐれなTちゃんが、私の名前を呼んでくれた。ちょっとずるはしたけど（笑）。一週間これからも頑張ろうと思ったのでした。

食事で舌の緊張が強くうまく咀嚼・嚥下ができてなかったけれど、私が正しい方法を教えようとしても「今のままの食べ方がいい」とポリシーを貫くTちゃん。負けました。

どんなにすねても、可愛らしかった。今も元気に施設のアイドルでいてくれてるといいな。

入所者さん、デイサービスの利用者さんとは楽しい思い出がいっぱいあります。思い出すたび、懐かしく、ちょっぴり悲しくなります。

いつか、遊びに行ける日がくるといいな。